期待実質金利が上昇すれば、投資需要の増大に歯止めがかかる。このようにして、期待実質金利の上昇によって、投資需要が抑制されれば、投資需要の行きすぎから景気が過熱し、やがてインフレが発生するという事態を回避することができる。いま述べた過程で、名目金利が上昇するとき、金融政策当局が名目金利の上昇をみて、金融は引き締まりすぎであると判断して、日銀貸出などを増やせば、マネーサプライが増大してしまう。取引が活発になることによる決済手段としての貨幣に対する需要の増大に対して、貨幣の供給(マネーサプライ)も増大するならば、名目金利の上昇圧力は相殺されてしまう。その結果、期待実質金利の上昇も抑制されるので、投資需要の増大を抑制することもできなくなる。その結果、投資の行きすぎに歯止めをかけられず、インフレを発生させてしまう可能性が出てくる。したがって、名目金利が上昇しても、日本銀行がマネーサプライをいままでどおりの水準に保つように、金融政策を運営すれば、名目金利の上昇を通じて期待実質金利も上昇し、インフレの発生を未然に防止することができるのである。
健康食品・サプリメントの人体における有効性や作用機序については、まだまだ未解明なところがたくさんあります。「科学的な作用等については明確ではないが、効果があることは確認されています」というだけでは、一兆円規模といわれている市場に対しても、消費者に対しても十分な説明になっているとは思えません。健康食品・サプリメントの効能・効果の調査研究を進めても、販売に際して製品にそれを表示・標榜できないというジレンマやコスト上の問題はあると思いますが、これから健康食品・サプリメントを消費生活の中に本当に定着させていくうえからも、こうした視点からの調査研究をお願いしたいと思います。そして、消費者は健康食品・サプリメントの知識をつけていくべきだと思います。
葬送の儀礼は長い時代にわたり、その地域の習慣の定めに従い行われてきた。葬儀が発生すると近所の子どもたちはそこで振る舞われる食事に与り、葬列が出立するときに撒かれる菓子などを競って手にし、成人しては、男性は葬具づくり、墓穴掘り、輿の担ぎ手として働き、女性は食事の炊き出しにと役割を与えられた。葬送はコミュニティの精神的絆で、こうしたコミュニティ(地域社会)によって葬送が担われた時代は、人々はとくに教えられるでもなく「葬式の作法」を学習していた。学んだのは「作法」「慣習」だけではなかったはずである。葬儀が発生する、つまり死者が出るとその死者を出した家族(喪家)がいかに嘆き、傷むか、ということも見知ったはずである。隣近所が葬儀というと直ちに喪家を訪ね、葬式の段取りを決め、チームワークよろしくその準備に取り掛かり、運営を担うのは、喪家の負担をいかにして軽減するか、喪家の人々が死者の弔いに専念できるよう配慮するためであることも学んだはずである。喪家の人はその恩を強く感じ、義理と感じた。そのため次に隣家で葬式が出されるときは何をおいても駆けつけ、手伝い、自分か喪家だったときに受けた恩や義理を返したのである。