「他者に対する攻撃性が抑制された状態というのは、落ちつきの状態にかなり近いものだとわたしは考えています。その意味では、今回の調査のテーマであった、DHAの落ち着きを生み出す効果が、充分に立証できたと思っています。今度はぜひ、ストレスがかかっていないときに心理テストを行ない、DHA群で攻撃性が低下するかどうかを見てみたいですね。また、今回の研究でとくに興味深かったのは、DHAの効果が、記憶とか色の識別といったコンピュータで代用できる部分ではなく、スーパーコンピュータを駆使しても代用できない、人間の奥深い、心理の部分に影響した点です。しかも三ヵ月という短期間で、これはどの結果が出たのは非常に興味深い。DHAの頭を良くする効果についても、否定する気はありません。今回は残念ながら確認できませんでしたが、もっと調査期間を延ばして、せめて一年ぐらいの長期にわたって調べれば、今回のようなテストだけでもずいぶん差がでてくるのではないかと思っています。その場合でも、おそらくDHAの効用は、単に記憶力が増すとかそういうレベルではなくてコンピュータではカバーできない、人間の脳の働きの一番大切なところに影響をおよぼすのではないかと期待しているんです」専門家は、こうしたDHAの落ちつきをもたらす効果が、実は歴史的にDHAをたっぷり含む魚介類をたくさん食べてきた日本人の性格にも影響し、それが日本文化の源流になったのではないかとも考えているようだ。